日本と韓国は22日、国交を正常化する条約に調印して60年を迎えます。そんな中、ソウル大に通う日本人大学生、篠原花綸(かりん)さん(20)は、実家近くの江の島(神奈川県藤沢市)と韓国・釜山の浜に流れ着く海洋プラスチックごみを加工し、キーホルダーを作って販売を始めました。
韓国・釜山の海は、実家近くの江の島(神奈川県藤沢市)の海より青い。でも、浜辺に打ち上げられたプラスチックごみは、江の島の方がカラフルだ。
都内の高校を卒業して一昨年、ソウル大に入学。政治外交を学んでいたが休学し、釜山で半年間、通訳として働いた。
休みの日、釜山の海辺を歩くと日本語が書かれたごみも。江の島と釜山で海洋プラごみを集めて加工し、キーホルダーを作って販売する一般社団法人を今春、藤沢市で立ち上げた。「いつか実現したい」と温めていた構想だ。
キーホルダーには、金色のリングにプラごみ素材のチョウと花がぶら下がる。日本の国蝶(ちょう)「オオムラサキ」と韓国の国花「無窮花(ムグンファ)(木槿(むくげ))」。
「チョウと花が互いを必要とするように、日本と韓国も手を取り合って、一緒に海を守っていけたら」
法人名の「OCEAN LOOP」(https://oceanloop60.com)には二つの意味をこめた。プラごみキーホルダーの売り上げは海洋環境保護活動にあてる。そんな「循環」と、日韓をはじめ多くの人と人をつなげる「輪」。
くっついたり離れたりの日韓はあす、国交正常化60周年の節目を迎える。
一衣帯水の二つの国をオオムラサキとムグンファが結ぶ。
「まずは日韓。そしていずれは中国や米国を象徴する何かもホルダーにつなげていきたいと考えています」